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ちょっと待って、新東名(第二東名)

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伊勢原市における第二東名建設の経過、情報、個人的意見を載せていきます

高速道路保有・債務返済機構・その2

 前回見たように、中日本高速道路株式会社の作った借金は、保有債務返済機構が引き受けるのですが、では、保有債務返済機構は、その借金をどうやって返すのでしょうか? 

 保有債務返済機構のホームページにIR情報があり、そこに保有債務返済機構の債権情報があります。
 保有債務返済機構の借金について書いたものです。そこには二つの債(借金のやりかた)が書いてあります。

1 政府保証債
2 財投機関債

 政府保証債というものは、ウィキペディアによれば、以下です。

「政府保証債(せいふほしょうさい)は、政府関係機関や特殊法人等が発行する債券のうち、政府が元本や利子の支払いを保証しているもの。政府関係機関債のうち政府保証が付与されているものはこれに該当する。
政府保証が付与されているため、基本的に国債と同等の信用力が認められる。一般に、国債よりも若干利率が高い。」

 つまり、保有債務返済機構は、政府機関債と財政機関債の二つの債券(借金の証文)を出せるが、その二つの中で、政府機関債は、「政府が元本や利子の支払いを保証しているもの」で、「政府保証が付与されているため、基本的に国債と同等の信用力が認められる」のです。つまり、保有債務返済機構の作った政府機関債という借金は、国が返してくれるのです。

 一方、財政機関債は、ウィキペディアによれば、以下です。

「財投機関債(ざいとうきかんさい)は、政府関係機関や特殊法人等が発行する債権のうち、政府が元本や利子の支払いを保証していない債券。2001年の財政投融資改革によって、特殊法人等の新たな資金調達手段として導入された。政府保証はないが、政府関係機関の経営状況が悪化しても政府が支援すると考えられているため、暗黙の政府保証が行われているともいわれるが、金利は政府保証債よりもやや高い。」

 財投機関債は、保有債務返済機構が独自に借金をするものです。しかし上記によると「政府関係機関の経営状況が悪化しても政府が支援すると考えられているため、暗黙の政府保証が行われているともいわれる」
政府が借金を支援するとも言われているのです。

 中日本高速道路株式会社(他の高速道路会社も)が作った借金は、保有債務返済機構が引き受け、さらに、その中の政府機関債は政府が支払うのです。

 さらに、保有債務返済機構のホームページ、IR情報・政府機関債には、こうあります。

「独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構は、旧・道路関係四公団から承継した債務等の返済を行うため、毎年、大量の資金(毎年度2~3兆円程度)を金融市場から調達しており、その約8割が財政投融資資金(政府保証債) によるものとなっています。」

 毎年2~3兆円のお金を借金して、調達し、その借金の80%が政府機関債なのです。つまり80%は国が返してくれるし、後の20%も「政府が保証するとも言われている」ものです。

 つまり、保有債務返済機構が作る借金の80%は国が国民の血税で支払う。残りの20%も保有債務返済機構が払えないなら、国がめんどうみるかもしれないものなのです。

 さらにホームページで保有債務返済機構が上記の続きに書いている文章を読んでください。

「・機構においては、政府保証が付与されることで、市場からの安定的かつ低利での資金調達が可能となっており(平成22年度の調達コスト実績:1.04%)、これらを通じて、「債務の早期の確実な返済」及び「国民負担の軽減」という設立目的を果たしています。」

 国が保障しているから借金しやすいし、国の保障で債務の返済もできるし、国民の負担軽減もうまくいくというのです。

 国が国民の血税を使って、保有債務返済機構の借金の保障(穴埋め)をしているから、保有債務返済機構は借金をスムーズに返せるというのです。
 一体、これのどこが国民の負担軽減なのかさっぱりわかりません。

 (また続きます)
by chottodainitoumei | 2012-10-12 13:40

by chottodainitoumei